[メモ]トロンってしってます??
トロンって聞いて何を思い浮かべます??
映画の『トロン: レガシー』を思い浮かべたあなた!!若い!!
おっちゃんは、もう少しまえの「トロン」を思い浮かべます!!
って、い、いや、そうではなくて、もう一つのトロン・・・TRON Projectが今回の話題です。
■TRONって??
TRON、正式名称を「The Real-time Operating system Nucleus」。東京大学の坂村教授が中心となって開発された国産のRealTime OSです。
TRONはまずリアルタイム組み込みOSのITRON、次いでビジネス向けのBTRON、大規模環境を想定したMTRON、通信インフラ用のCTRONと様々なサブプロジェクトのもとで開発がされていました。
具体的な利用としては、
・ITRON(Industrial TRON)
日立のボードコンピュータに採用され、現在はμITRONとしてより小さな環境での実装がされています。
・BTRON(Business TRON)
パナソニックがPCに実装して一般に販売されていました。今はやりのオブジェクト指向が既に実装されていて、ファイルを実態と見せ方に分けれる「実身/仮身モデル」が有名。
・CTRON(Communication TRON)
電話交換起用に開発されたTRON。NTTの電話交換起に使用されていた。
BTRONは、1986年4月に臨教審が出した「教育改革に関する第二次答申」にもとづき、当時の学校教育、特に義務教育へのコンピュータ導入に向け、財団法人コンピュータ教育開発センター(CEC)が、1987年4月に教育ソフトライブラリを設立、同7月にシンポジウム開催といった活動をしていました。
※財団法人コンピュータ教育開発センター(CEC):1986年7月、文部省と通産省共管で設立された。
■ごたごた発生!!
1988年に試作機まで誕生していたBTRON。じゃ、なぜ今BTRONを使ってないの??
ここで巻き込まれたのが「日米通商摩擦」とMS-DOSが出てきた事。
自国のOSを広めたいアメリカとしては、当時(今でもかも)遥かに優れていたBTRONは目の上のたんこぶ。
結局、TRONは貿易障壁の対象項目にあげられ、文部省(当時)はBTRONの教育用PCへの採用をあきらめてしまったんです。
GATTに提訴するなりしたら防げたのかもしれないのに、めんどくさい事は避けたかったであろうお役人達のせいで国産OSが死んでしまったわけなんですよね。
■今はどうなってるの??
一番目に触れるものとしたら、ITRONの派生であるμITRONかもしれませんね。
組込みのシーンでは多く使われています。i-modeなんかでも使われていました。
次にはCTRON。NTTが交換機の国際調達の条件にしています。
最後にBTRON。Windowsがここまではびこっている現在。その活躍の場は無いです。PC以外での活用の場を探す他無いですね。
こんな感じで、ある意味不運な道程をたどってきたTRONですが、先駆的なオブジェクト指向ひとつとっても、最新のOSと比較しても遜色ないと思っています。
どこか、活躍できるシーンを見つけてみようかなぁ。。


最新記事 by くまかけ (全て見る)
- - 2015年5月27日
- 投稿のテスト - 2014年12月28日
- [ワードプレス]追加した写真を表示する - 2014年12月27日
この投稿へのコメント
この投稿へのトラックバック
トラックバックはありません。